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1. 薪ストーブの魅力について
2. 薪ストーブの種類
3. 煙突について
4. 設置法と炉台について
5. メンテナンス
6. 薪に適した木
7. 薪の調達と保管


1.薪ストーブの魅力について

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部屋の照明を最小限に落とし、薪ストーブならではのやわらかなぬくもりに心も体も温められ、ゆらゆらと燃える炎をながめながらゆっくりと時間を過ごす。
誰もが憧れをいだく情景ではないでしょうか。
一台の薪ストーブが、本来であれば憂うつな冬も、待ち遠しい楽しみな季節に変えてくれます。
自分の手で薪を集めて加工し、整理してシーズンに備えるのもまた楽しみの一つです。

そういった趣味的な楽しみのほかに、薪ストーブには経済的にも大きなメリットがあります。
たとえば、北海道の一般家庭(戸建住宅)が一シーズンに消費する暖房費は灯油の場合で約15万円〜20万円程かかると言われていますが、もし一シーズンで消費する薪をすべて購入したとしても、丸太のままであれば10万円程で済みます。
それをチェーンソー等でストーブに合った長さに切り、必要に応じて割るといった作業も愛好家の楽しみの一つです。
本格的な薪ストーブは、確かに高価ではありますが、セントラルヒーティング工事を施すよりは安上がりですし、機械のように壊れることもありません。大事に使いメンテナンス(仕組みが解れば自分でできます)をしっかりすれば半永久的に使えます。
薪ストーブ本来の魅力に加え、灯油が高騰している昨今ではその経済性からも薪ストーブを設置する方が増えつつあります。

かく申す私(当サイトの管理者です!)も個人的な趣味で薪ストーブを愛用して約20年。現在の住まいで2台目が活躍中です。
過去の失敗談も交えながら、培ってきたノウハウをここにまとめてみました。
薪ストーブに興味をお持ちの方、これから始めてみようとお考えの方の参考にしていただければ幸いです。


2.薪ストーブの種類

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現在薪ストーブはアメリカやヨーロッパの厳寒地域を中心に高性能で実用的な良品が数多く製作されています(一例:写真@AB)。
もちろん国産品もありますが、技術大国日本も、薪ストーブにおいては現時点では性能面でやや劣ります。
今後日本でもアメリカやヨーロッパに負けない製品が開発されることを期待したいものです。
最近中国製の鋳物製品(一例:写真C)もずいぶんと出回っておりますが、安価を重視するなら一考の余地はあるかも知れません。
またさらに安いものとなればホームセンターや金物屋さんにある、昔ながらのブリキでできた数千円代からのもの(一例:写真D)も種類が豊富にあり、住宅のほかに工場や作業場等で利用するとか、キャンプ等で使うとか、それなりの利用法や楽しみ方があります。

薪ストーブを選ぶ上で重要なポイントがいくつかありますが、概ね以下のとおりとなります。
●暖房面積  カタログデータを参考に設置する場所の広さ・建物の構造を基に選定します。入れる薪の量や風量調整で温度管理はできますが、小さすぎると能力を超えた燃焼を強いられてストーブに負担をかけることになります。
●形状  横長のタイプ・縦長のタイプ・奥に長いタイプと、さまざまな種類がありますので設置する場所によって選定します。また薪を横から入れられるタイプのものもあり、炉台の前側を汚さず横から長い薪を投入できて便利です。
●デザイン  当然こだわりの部分になると思います。色もクラッシックブラックから赤・青・緑といったカラフルなものもあり、選ぶ楽しみがあります。
●メンテナンス性  清掃するたびにストーブをバラバラに分解しなくてはならないようでは楽しみも苦痛に変わります。高性能な割りにシンプルな構造で、素人でも簡単に清掃できるものも多くありますので選定基準にしたいものです。
@ A B C D


3.煙突について
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快適な薪ストーブライフを考える上で、最も重要なのが煙突の取付方法です。基本的にはストーブの排煙口に合った径のものを、横になる部分を極力短くし、屋根上から最低でも1mは立ち上げることが必要です。
勾配屋根の場合は屋根のてっぺんまで伸ばせると一番良いのですが、控えが取れず不安定になるようでしたら適宜調整しても良いと思います。ただしその場合でも概ね軒先から1.5mは必要です。
煙突には煙の引き(吸い込み)の強さが重要で、引きが弱いと燃焼が悪く煤もたまりやすくなります。十分な引きを得るために煙突はできるだけ長くします。
またトップにはH傘やT傘がよく使われますが、どちらも引きは悪くなります。特にH傘はあまりお薦めできません。右図のような形状のものが風向きに左右されず常に良好な引きを得られます。
引きとは、つまり無風状態の室内の空気が、流れのある外部の空気に引っ張られる現象です。それに自然対流(暖かい空気が上昇するという原理)がともなって快適な排煙が確保できます。
自然対流の効果が重要であって、引きなど関係ないと言う専門家もいますが、それではストーブが高温になる前に部屋の中は煙だらけになります。
引きがあるかないかは、火を焚いていないストーブの吸気口にタバコの煙を近づけて見ると、スムーズに吸い込まれていく様子でお解りいただけると思います。昔から実際に薪ストーブを生活の一部に取り入れて来た先人は引き(吸い込み)を重要視してきました。
さて実際の構造は右図が基本形となりますが、建物の構造やストーブの設置位置により最適な方法を考えなければなりません。
本格的な薪ストーブの排煙口の径は150mmが一般的ですので、右図のような構造にし、よく乾燥した薪を使用すれば、煙突掃除は一年にシーズンオフの一回ですみます。
いくら趣味的な要素があっても、やはり煙突掃除はなるべく少なくしたいですね。
また円筒の曲がり部分はキャップ付きにしておくと清掃が楽になります。

あと煙突で一般的に断熱性が重要視されています。二重構造や、さらに二重の間に断熱材を詰めたものが主流です。
二重構造にし断熱性を持たせることにより結露防止に貢献し、汚れにくくなり結果的にその分煙突は長持ちします。
しかし煙突の性能(排煙能力)には特に問題はありません。自然対流効果にも影響はありませんので、費用対効果を考えると必ずしも必要なものではありません。
断熱構造の円筒はシングル構造のものと比較するとかなり高額で、ストーブ本体と同じかあるいはそれ以上に煙突に予算を取られます。
建物内部に至っては結露の心配はありません。つまりストーブを焚いている状態で部屋の温度が結露の発生するようなマイナス温度はあり得ないからです。
むしろ排熱を少しでも部屋に取り込む意味でも二重構造や断熱構造は室内においては必要ないと思います。建物内部の断熱構造は釣マニアが鮎を釣るときの編み笠(?)のようなもので、あまり重要性のない単なるこだわりのように感じます。
重要なのは煙突の構造よりも取付方法なのです。


4.設置法と炉台について
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本格的な鋳物製品は一般家庭向きのものでも重さが150kg〜200kgありますので、そのまま既製の炉台を置いてストーブを乗っけただけでは、炉台の重量も加わわり床がたわむ可能性があります。ましてや本格的なレンガやコンクリート製の炉台となれば、合わせて500K以上の集中加重になりますので、既存の床に設置する場合は事前調査が必要です。
また煙突の経路や部屋の暖房効率・メンテナンス・安全性等を考えながらストーブの設置位置を決めなくてはなりません。
一度取付けてしまったら簡単に移動はできませんので、失敗は許されない部分です。
自分の手で炉台を作る場合は特に、最初に専門家に相談することをお薦めします。


5.メンテナンス
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どんな好条件の中で使っていても、年に一回の本体清掃と、年1〜2回の煙突掃除は必要になってきます。
永く快適に利用するためにも年に一回(シーズオフ)は本体の中をきれいにしたいものです。
内部の清掃は特に薬品や洗剤は必要ありません。真鋳ブラシと布切れで煤や汚れを落とし、最後は掃除機で吸い取ればいいでしょう。その際に内部の耐火煉瓦に割れ等がないか、またダンパーの開閉に異常はないかも確認しましょう。
清掃が面倒なタイプのものもありますが、大体は素人でも説明書に従い清掃はできます。またストーブの外面に関しては1年使ったあとは結構汚れたり、部分的に塗装が剥げたりしています。また天板はやかんやナベを上げる際にこぼした水分が原因で錆が浮いてくることもあります。
錆は紙やすりで落とし、スプレー式の耐熱塗料で補修します。塗装の剥げた部分も必ず紙やすりや真鋳ブラシ等で古い塗膜を落とし、雑巾でよく拭きとり乾いてから塗るようにしてください。また5年ないし6年に一度、状態に応じて全面塗装すれば、新品同様になります。
ただし薄い錆程度ならそれでも良いのですが、腐食したり熱割れ(許容温度を超えた高温焚きを繰り返すと角の部分等にヒビが入ることがある)箇所は素人じゃ手に負えません。
精錬された鋳物であっても鉄には変わりありませんので、使い方によっては錆びますし腐食もします。そうなった場合の処理を考える前にそうならないような使い方をしましょう。
錆や腐食を抑えるためには、十分乾燥した天然木を使用し、合板や防腐・塗装処理した木は燃やさない。またラワン材のように港に浮かべて貯木していた木材も塩分を含んでいるため腐食の原因になります。
松材はタールが発生し煙突が汚れ、また火持ちもあまり良くないので好まれませんが、十分乾燥していれば実際にはあまり問題はありません。ストーブ内部は高温になるためタールが付着してもすぐに燃焼消滅します。焚き始めに、特に乾燥が十分でない薪を焚いたときなど、ガラス面にタールが付着して黒く汚れますが、高温になってくるとすぐにきれいに取れてしまうことがストーブ内部全体に言えるわけです。事実我が家では30%くらいは十分乾燥した建築廃材の松材を利用していますが、火持ちが良くないほかは特に問題は感じられません。


6.薪に適した木

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前項でも述べましたが、薪ストーブだからと言ってどんな木でもOK!という訳にはいきません。木の種類によってはストーブや煙突を汚したり傷めたり、中には嫌な臭いを発したりするものもあります。
一般に広葉樹は硬くて火持ちが良いので薪に適していますが、硬過ぎるのも厄介です。たとえば黒檀などは比重が1.3もありかなり重くて硬い木です。もしチェーンソーで切ったら歯がボロボロになってしまうでしょう。また燃やしてもブスブスと燻るばかりでなかなか燃えません。
高級タンス等に使用される桐の木は、逆に軽くて柔らかいのですが、不思議なくらい燃えません。これも薪には不向きな木です。
いろいろな木を試してみましたが、下表にまとめたものが薪に適してると言ってよいでしょう。
ただし、いずれも十分乾燥したものでなければいけません。乾燥が不十分なものはどんな木であっても薪には適しません。燃えが悪いばかりか水蒸気やタールが多量に発生しストーブ本体や金属製の煙突の汚れや腐食の原因になります。
また海岸に打ち上げられた流木等は、塩分を多く含んでいますので、ストーブや煙突の腐食(錆の発生)の原因となりあまり薦められません。
                                                                      ※火持ちの評点は5段階評価です。
薪の種類 種別 比重 火持ち 特徴 欠点
マツ(トドマツ・エゾマツ) 針葉樹 0.52 3 入手が容易。着火性が良いので炊きつけに最適。 燃焼時間が短い。タールが発生し煙突が汚れやすい。
カラ松 針葉樹 0.53 3 入手が容易。。マツと同じく着火性は良。 火持ちはマツより若干良い程度。やはりタールが発生しやすい
スギ 針葉樹 0.38 2 マツと同じく着火性は良。 燃焼時間が短いのでまめな補充が必要。北海道では入手が困難。
ナラ 広葉樹 0.68 4 火持ちが良く薪に適している。 特になし。
ミズナラ 広葉樹 0.67 4 火持ちが良く薪に適している。 特になし。
アカシヤ(ニセアカシヤ) 広葉樹 0.72 5 入手が容易で火持ちも良く薪に最適。 枝にはトゲがあるので枝付きの原木を加工するときは注意が必要。
シラカバ 広葉樹 0.62 4 入手が容易で火持ちも良く薪に適している。 湿気に弱く腐りやすいので長年のストックは難しい。
タモ 広葉樹 0.74 5 火持ちが良く薪に最適。 大量の入手は困難。
サクラ 広葉樹 0.60 4 火持ちが良く薪に適している。 大量の入手は困難。
カシ 広葉樹 0.95 5 火持ちが良く薪に最適。 硬すぎて加工しずらい。北海道では入手が困難。
イタヤカエデ 広葉樹 0.67 4 火持ちが良く薪に適している。 大量の入手は困難。
ブナ 広葉樹 0.62 4 火持ちが良く薪に適している。 入手は困難。
リンゴ 広葉樹 0.60 4 火持ちが良く薪に適している。香りが良い。
入手は困難。果実農家から古木を譲ってもらうしか入手方法がないのでは。


7.薪の調達と保管
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一シーズン分の薪をどのように調達するか。
もちろんそのまま使える状態のものも手に入りますが、そうなりますと灯油代の半分の暖房費で・・・とはいかないでしょう。
せめて原木を一定の長さに切ったもの(長さ2m程度で直径10cm〜20cm程度のもの)を業者から買い、後は自分で切って割る。これが一般的です。地域を管轄する営林署等でも販売していますし、端材なら安く譲ってくれます。また他にも結構安く手に入る方法を教えてもらえると思います。
風倒木や間伐材をタダでもらえるツテがあれば一番いいですね。
ちなみに民有林に限らず、勝手に山に入って風倒木等を持ってきただけでも罪になりますので気を付けましょう。
どんな調達方法であっても、シーズン前までに一年分の薪を確保しておくと安心です。
原木の生木では乾燥するまで一年以上の期間が必要となりますので、玉切りにしてなおかつ必要サイズに割っておくと、風通しの良い場所で雨が当たらない工夫をすれば3ヶ月〜4ヶ月程で十分乾燥します。乾燥していないものを物置や小屋に積み上げた場合、乾燥する前に腐ってしまうこともあります。
薪はストーブに入れる時点で十分乾燥していることが必須条件です。

さて薪の保管についてですが、一年分保管できる場所となると、一般家庭(北海道)で一シーズン消費する分と考えた場合、およそ15立方メートルの空間が必要となります。だいたい1.5m積み上げた場合で6畳くらいの広さの場所が必要ということになります。
そのくらいのスペースの保管場所があればベストですが、なければ屋外に積み上げて保管するしかありません。
その場合、上部をシートで養生するとか、せっかく乾燥させた薪に雨や雪が直接あたらない工夫が必要です。





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